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ワイルドベタの飼育繁殖

ワイルドベタの飼育と繁殖


 ワイルドベタは、現在東南アジアに広く分布しており、現在50種類以上が知られています。
 これらのサイズや形状、色彩、性質などは多岐にわたっており、飼育する種類によって、
ちがった発見や感動を得られるのが、ワイルドベタ飼育の大きな魅力といえるでしょう。
 ここでは、一般的な飼育方法と、泡巣タイプとマウスタイプのそれぞれの繁殖方法を
ご紹介したいと思います。


ワイルドベタ飼育方法



 ワイルドベタは、改良品種のベタほどは気が荒くないので、通常ペアで一緒に飼育できます。
 1ペアで飼育する場合、用意する水槽のサイズは、
5~6cmぐらいまでの小型種なら30cm水槽(10リットル程度)、
10cmまでの中型種なら40cm水槽か45cm水槽(30~40リットル程度)、
10cmを超える大型種ならば、45cm水槽か60cm水槽(40~60リットル)が適しています。
 もちろん、まだ若くて小さな個体でしたら、上記よりも小さな水槽で飼うことができます。
 また、違う種類同士数ペアを大きめの水槽で混泳させることも可能です。
 
 泡巣タイプのワイルドベタはショーベタ同様、水の流れを嫌いますので、
フィルターはないほうが良いです。
 マウスタイプは細流に生息していますので、フィルターはあってもかまいません。
(なくても飼育可能です。)
水槽にフィルターを設置する場合、外掛け式フィルターなどは水流が強すぎるので、
エアリフト式のスポンジフィルターが適しています。
 水槽内には、流木やココナツシェル、水草などを配置して、ワイルドベタが落ち着ける環境を
作ってあげてください。
 底砂は必要ありませんが、水草を植えるなら必要です。
ただ底砂を敷く場合は、水質をアルカリ性にさせない砂を選んでください。
 なお、ワイルドベタはわずかな隙間からもジャンプして飛び出しますので、
かならず水槽にはきちんとフタをしてください。

 ワイルドベタは全般的に弱酸性の軟水を好みます。
 それを容易に再現するには、塩素を中和した水道水10リットルに
アルダーシードを2~3粒入れて、コハク色に色づいた水を飼育水として用いてください。
 日頃から、バケツや水槽などにこの水を作っておくと便利です。
 ついでにその水も保温しておくと、温度調整せずに水替えできます。
 このコハク色の水は、水質の悪化や白濁を防ぎ、抗菌作用もあります。
 しかも、現地の水に近い色合いのためか、魚も落ち着いて、
やがて本来の体色を見せてくれるようになります。

 ベタは本来肉食性で、多くの種類は通常のドライフードはあまり好みません。
 しかし、当店のフォーチュンオリジナルフードは高タンパクで、通常の人工餌に
なじみにくい種類でもよく食べます。
 一日一回、食べつくす量を与えてください。

 水替えは1週間~10日に一度、水底のゴミなどをピペットかエアチューブなどで
水と一緒に吸い出して、減った分はアルダーシードで作った水を足しておいてください。
 ワイルドベタは急激な水質の変化を嫌うので、少しずつ水替えすることが大切です。

 ワイルドベタは、ショーベタなど改良品種のベタと違い、
最初から美しい色合いをしているわけではありません。
 とくに移動させたり、環境が変わった直後だと退色しているのが普通です。
 それが水槽内で落ち着いて、環境に慣れてくると、本来の美しい色彩を見せてくれるようになります。
 コンディションが良いといずれ繁殖へと向かっていくことでしょう。


泡巣タイプの繁殖



 泡巣タイプのベタは発情したオスが水面に泡巣を作るところから始まります。
 水面に水草を浮かべておくと、そのまわりに泡巣を作りやすくなります。

 泡巣を作ったオスは、メスを追いかけはじめます。
 最初メスは嫌がって逃げ回りますが、抱卵しているメスなら発情してきて、
やがて泡巣の下でオスとメスが絡み合い、産卵をします。

 産卵が終わるとメスは取り出してください。
 オスは泡巣のなかに卵を入れて世話をします。
 2~3日すると卵は孵化します。孵化したばかりの稚魚は泡巣の下にぶら下がり、
オスは泡巣から落ちた稚魚を泡巣に戻したりと、いそがしく世話をします。
 さらに2~3日すると稚魚は水平になって自由に泳げるようになります。
 そうなるとオスも取り出してください。
 最初稚魚はインフゾリアと呼ばれる微生物を食べます。
 それから2~3日たつと、あとは孵化したてのブラインシュリンプを与えて育ててください。


マウスタイプの繁殖



 マウスタイプとは、オスが口の中で卵や稚魚を保護するマウスブルーダーのベタです。
 このタイプのベタは繁殖の兆候を知るのが難しいのですが、
ペアが仲良く寄り添っているときは繁殖に至ることが多いです。
 ある日水底で、ペアが絡み合って産卵するところを見ることができるかもしれません。
 オスは卵を自分の口のなかに咥えます。
 口が大きく膨らんでいるので、すぐにそれだとわかるでしょう。
 オスが卵をくわえていたら、オスを驚かせないようにメスをそっと取り出してください。
 卵はオスの口の中で3日ぐらいで孵化しますが、
オスはそのまま稚魚を口のなかで保護しています。
 そのあいだは、エサも与えずにそっとしておいてください。
 順調にいくと10日~2週間ぐらいで、オスの口から稚魚が出てきます。
 ますマウスタイプの稚魚は、泡巣タイプの稚魚に比べると大きく、
最初から孵化したてのブラインシュリンプを食べることができます。


最後に



 ワイルドベタは多くの種類がさまざまな生態を見せてくれます。
 ここに書いた飼育繁殖方法は一般的なもので、種類によっては必ずしも当てはまらない
こともあるでしょう。飼育繁殖の難易度も種類によって違います。
 ぜひ奥深いワイルドベタの世界を覗いてみてください。
 あなただけの発見もあることでしょう♪

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