インドネシアのベタ事情
インドネシアは、まさにいま経済絶好調である。 |
アジアの発展と言えば、近年とかく中国とインドばかりがクローズアップされるが、この国の国土面積は日本の5倍でアジアで3位、人口は2倍で世界でも4番目に多い大国である。 |
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ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に到着した私を出迎えてくれたのは、地元のアマチュアブリーダー、ヘルマヌス(Herumanus)氏であった。彼はインドネシアにおけるベタ愛好家の代表者的存在で、アメリカにある世界最大のベタ組織IBC(インター・ベタ・コングレス)のコンテスト公式審査員で、その傘下のBCI(インドネシア・ベタクラブ)の会長を務めている。また彼はベタの普及に非常に熱心な人物で、今回行われるインターナショナル・ベタショーに合わせて、私をジャカルタに招待してくれたのだ。さっそく私は、彼の自宅にあるベタファームを見せてもらった。 |
このたびはジャカルタ中心部にある、ワールドトレードセンターにて地元の観賞魚フェアーが行われていた。アロワナやフラワーホーン、ディスカスなどはもちろん、金魚や爬虫類まで数多くのブースがあり、さまざまな生物が展示されていた。 |
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さて、今回この観賞魚フェアーにあわせて、ショーベタの国際コンテストが行われた。アメリカに拠点を置くIBCが公認する国際コンテストで、その傘下で地元のインドネシア・ベタクラブが主催である。IBC公認のコンテストでは、IBCの公式審査員のみが、その審査基準によって出品されたベタを審査する。 |
今回出品されたベタは、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピンの5カ国から、なんと756匹にものぼった。日本のローカルコンテストでの出品数が100匹ぐらいと聞いているので、この規模の大きさが想像できるであろう。さらに驚かされるのは、IBCのベタ出品部門の大きさである。 |
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審査中、一般の見物者は完全にシャットアウトされたなか、私は関係者と称して勝手に入っているだけなので当然であるが。2人1組の審査員は、一匹一匹時間をかけて観察し、細部はペンライトなどで照らしてチェックして、用紙に点数を記入してゆく。審査が終わると点数の多い順に、各クラスの優勝、準優勝、3位までを選出してゆく。そして、今度は審査員たちの合議によって、各クラスの優勝魚から部門優勝の魚を選ぶ。さらに同じく合議制で、各部門の優勝魚のなかから総合優勝の魚を選ぶのだ。審査は2日目に行われるが、朝から始まって夕方までたっぷり1日かかったのである。 |
入賞したベタは、どれも見事で、息をのむ美しさであった。 |
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