これは昨年末にベトナムで発見しましたベタ・シャムオリエンタリスと同種か、
もしくはその近縁種と思われるスプレンデンス・グループの小型種です。
その際、シャムオリエンタリスのようで、ベトナムに生息しているということで、
採集に同行しました伊藤武史氏によって「ベトオリエンタリス」と命名されました。
本種はシャムオリエンタリス種と同様、尾ビレの赤い縁取りや体表のメタリックスポットは、
インベリス種によく似ています。
しかし、インベリス種のようにエラブタにメタリックが入らず、
むしろスプレンデンス種のような小さな赤いバンド状の模様が入り、
さらにはシャムオリエンタリス特有の黒味を帯びた体色をしています。
シャムオリエンタリスとは、シャム(タイ)オリエンタリス(東方)という意味で、
名前のとおり、本種はタイ東部に分布していますが、実際にはカンボジアからベトナム南部までの
東方に広く分布しているようです。
このたびベトナム南部、ホーチミン市に北接するビンズオン省で採集することができました。
本種もしくは本種の近縁種をインドシナ半島の最も東端ともいえる場所で採集することができたのは、
大変興味深いことだと思います。
飼育は比較的容易で、水質には特にうるさくありませんが、弱酸性の軟水がベストです。
オス同士は闘争しますが、改良品種のベタよりは温和なので、30cm水槽でのペア飼育が適しています。
水中にはココナツシェルや水草などを配して、落ち着いた環境を用意してやると、
素晴らしい発色を見せてくれます。
また水面に浮き草を浮かべておくと、オスが泡巣を作り、産卵する光景も見れるかもしれません。
繁殖方法は改良品種のベタに準じます。
下記の「お買い物ガイド」をお読みになって、内容をご確認のうえご注文下さいね
ベタsp"ベトオリエンタリス"のオス個体。
シャムオリエンタリス種のような、黒い体色に浮かぶメタリックスポットが美しいタイプで、
尾ビレには赤い縁取りが入り、エラブタにもスプレンデンス種を想わせる赤がはいります。
水槽に導入直後で、色が飛んだ状態のオス個体。
ベトオリエンタリスのメス個体。
画像はあくまで参考です。販売する個体はこれらの画像と異なります。
<ベトナムにあるベタsp"ベトオリエンタリス"の生息地>
ベトナムのホーチミン市の北、ビンズオン省にあるベタsp"ベトオリエンタリス"の生息地。
ゴムのプランテーションのなかにある水が寸断された用水路のような場所でみつけることができました。
採集したばかりのベタsp"ベトオリエンタリス"。